「DJI Pocket 2」の進化を「Osmo Pocket」と比較しながら紹介する

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Camera

2020年10月20日に発表されたDJI Pocket 2の特徴やOsmo Pocketとの比較、買うならDJI Pocket 2DJI Pocket 2 Creatorコンボどちらがいいのか、などを見ていきたいと思います。

個人的なことですが、先週Osmo Pocket用の3.5mm アダプターを購入したばかりなので若干複雑な心境です(笑)

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「DJI Pocket 2」と「Osmo Pocket」の比較表

まずは両モデルの比較表を用意しました。

DJI Pocket 2 Osmo Pocket
一般 発売日 2020年10月31日 2018年12月15日
サイズ 124.7×38.1×30 mm 121.9×36.9×28.6 mm
重量 117 g 116 g
カメラ センサー センサーサイズ 1/1.7インチ CMOS 1/2.3インチ CMOS
有効画素数 64 MP 12 MP
レンズ FOV 93° 80°
焦点距離 20 mm (35mm換算) 26mm (35mm換算)
絞り値 F1.8 F2.0
ISO感度 静止画 100~6400 (16 MP)
100~3200 (64 MP)
100~3200
動画 100~6400 100~3200
スローモーション 100~3200 100~3200
電子シャッター速度 8~1/8000 秒 8~1/8000 秒
最大静止画サイズ 9216×6912 ピクセル 4000×3000 ピクセル
静止画モード シングルショット 16 MP、64 MP 12 MP
カウントダウン 3、5、7秒 3、5、7秒
パノラマ 3×3、180° 3×3、180°
動画解像度 4K Ultra HD 3840×2160
24/25/30/48/50/60fps
3840×2160
24/25/30/48/50/60p
2.7K 2720×1530
24/25/30/48/50/60fps
2720×1530
24/25/30/48/50/60fps
FHD 1920×1080
24/25/30/48/50/60fps
1920×1080
24/25/30/48/50/60fps
HDR動画解像度 2.7K 2720×1530
24/25/30fps
FHD 1920×1080
24/25/30fps
動画撮影モード 動画
HDR動画
スローモーション
タイムラプス
モーションラプス
ハイパーラプス
モーションラプス 左から右
右から左
カスタム動作 (最大4点)
カスタム動作 (最大4点)
スローモーション 1080p/120fps (4倍)
1080p/240fps (8倍)
1080p/120fps (4倍)
対応ファイルフォーマット FAT32 (≤32 GB)/exFAT (>32 GB) FAT32 (≤32 GB)/exFAT (>32 GB)
最大動画ビットレート 100 Mbps 100 Mbps
写真フォーマット JPEG / DNG JPEG / JPEG+DNG
動画フォーマット MP4 (MPEG-4 AVC/H.264) MP4 / MOV (MPEG-4 AVC / H.264)
オーディオ出力 48 KHz AAC 48 KHz AAC
内蔵マイク数 4 2
ジンバル 操作可能範囲 パン -230° ~ +70° -230°~ +50°
チルト -100°〜+50° -95°~ 50°
ロール ±45° ± 45°
機械的可動範囲 パン -250°~+90° -250°~+70°
チルト -180°〜+70° -120°〜98°
ロール ±90° ±90°
最大操作速度 120°/秒 120°/秒
角度ぶれ範囲 ±0.005° ±0.005°
バッテリー 種類 LiPo LiPo
容量 875 mAh 875 mAh
駆動時間 140分
(1080p/24 fps動画撮影時)
140分
(1080p/30 fps動画撮影時)
充電時間 73 分
(5V/2A USBアダプターを使用時)
73 分
(5V/2A USBアダプターを使用時)

順番に詳しく見ていきます。

特徴

DJI Pocket 2の特徴をOsmo Pocketと比較しながら見ていきます。

カメラ

まずはカメラ性能から。Osmo Pocketで不満の声が多かった画角以外の部分も、大幅に進化を遂げています。

画角

Osmo Pocketの26mm 80°からDJI Pocket 2では20mm 93°に広がりました。

同時に登場した「DJI Pocket 2 広角レンズ」を装着すると15mm 110°まで広がります。これはOsmo Pocketにも対応していて、装着すると90°になります。

「DJI Pocket 2」と「Osmo Pocket」の画角差

ちなみにOsmo Pocketでよく使われているのは、Kenkoの0.6倍ワイドコンバージョンレンズですが、これを付けた場合35mm換算で15.6mm(26mm × 0.6)となっていました。

Osmo Pocketを購入した人の意見として、画角が狭いという不満は多く見受けられたので、今回一番人目を引く情報な気がします。

Osmo Pocketもワイコンを使用すれば画角の狭さを解消できますが、ワイコンとNDフィルターが併用できないのがつらいところなのでDJI Pocket 2本体の画角が広がったのは嬉しいところ。

絞り値

Osmo PocketのF2.0に対しDJI Pocket 2ではF1.8になりました。

暗所性能の向上が期待できそうですね。

センサー

Osmo Pocketが1/2.3型であるのに対しDJI Pocket 21/1.7型と大きくなりました。

「DJI Pocket 2」で大きくなったイメージセンサー

さらに、有効画素数が1200万画素から6400万画素へ増えたことにより、最大静止画サイズも4000×3000 ピクセルから9216×6912 ピクセルへと増えています。

ISO感度の上限

Osmo Pocketでは3200が上限だったのに対し、DJI Pocket 2では6400まで可能になりました。

ただし6400まで使えるモードと、3200までしか使えないモードがあります。

DJI Pocket 2 Osmo Pocket
静止画 100~6400 (16 MP)
100~3200 (64 MP)
100~3200
動画 100~6400 100~3200
スローモーション 100~3200 100~3200

HDR動画撮影

Osmo Pocketにはない新機能として、DJI Pocket 2では新たにHDR動画撮影が可能になりました。

「DJI Pocket 2」で可能になったHDR動画撮影

2.7K(24/25/30fps)とFHD(24/25/30fps)での撮影が可能ですが、4Kでの撮影はできません。

スローモーション撮影

Osmo Pocketまでの4倍(1080p/120fps)に加え、DJI Pocket 2では8倍(1080p/240fps)にも対応。

オーディオ

マイクやオーディオシステムなど、こちらも確実な進化を遂げています。

内蔵マイク

内蔵マイクの数がOsmo Pocketの2つからDJI Pocket 2では4つに増えました。

「DJI Pocket 2」の内蔵マイク位置
DJI Pocket 2の内蔵マイク位置
「Osmo Pocket」の内蔵マイク位置
Osmo Pocketの内蔵マイク位置

数が増えたということももちろんですが、位置がよくなったのが嬉しいところ。

Osmo Pocketは内側(自分側)と本体下の2箇所にマイクがあり、外側(レンズが向いてる方)にはありません。
自分で喋ったり自撮りする人には向いてる配置かもしれませんが、そのような使い方をしない場合、被写体側に向いたマイクがないというのは個人的に不満でした。
本体下のマイクは三脚に取り付けると塞がってしまうという不満もありました。

なので、今回の外側・内側・左右というマイク配置は、あるべき姿になったと感じます。

DJI マトリックス ステレオ

4つのマイクを生かしたDJI マトリックス ステレオというオーディオシステムを搭載しています。

主な機能は以下の通り。

  • 音声トラック:カメラの向きに合わせて音声の収録方向を調整
  • 指向性オーディオ:3つのサウンドパターンを選択可能(単一指向性 / 双指向性 / 全指向性)
  • オーディオズーム:カメラがズームインすると同時にその方向に録音領域を狭める

DJI ワイヤレスマイク トランスミッター

アクセサリーとしてDJI ワイヤレスマイク トランスミッターが登場しました。

ワイヤレスマイクレシーバーになっているDo-It-Allハンドルを本体に装着した状態で使用可能。

「DJI Pocket 2」のワイヤレスマイク接続イメージ

DJI ワイヤレスマイク トランスミッター本体には全指向性のマイクがついており、3.5mmコネクタに接続することで外部マイクを使用することも可能です。

アクセサリー類の充実

DJI Pocket 2と共に、様々なアクセサリーも出てきました。
以下はDJI Pocket 2Osmo Pocketのアクセサリー互換性リストです。

DJI Pocket 2 Osmo Pocket
DJI Pocket 2 ミニ操作スティック
Osmo Pocket スマートフォンアダプター
(Lightning、Type-C)
DJI Pocket 2 Do-It-Allハンドル ×
DJI ワイヤレスマイク トランスミッター ×
DJI Pocket 2 マイクロ三脚 ×
DJI Pocket 2 広角レンズ
DJI Pocket 2 スマートフォンクリップ
DJI Pocket 2 充電ケース ×
DJI Pocket 2 防水ケース
Osmo Pocket ND フィルターセット
Osmo Pocket ワイヤレスモジュール
Osmo Pocket アクセサリーマウント
Osmo Pocket コントローラーホイール
Osmo Pocket USB-C - 3.5mm 変換アダプター
Osmo Pocket 充電ケース ×
Osmo Pocket 防水ケース ×
Osmo Pocket 延長ロッド

この表を見ると、案外Osmo Pocketにも対応しているアクセサリーは多く、ミニ操作スティックや広角レンズはOsmo Pocketをとりあえず使い続ける人にも嬉しいアクセサリーですね。

しかしDJI Pocket 2にしか対応してないDo-It-Allハンドルワイヤレスマイクトランスミッターによるワイヤレス周りはやはり魅力的です。

その他いろいろ

ここまで上げてきた特徴の他にも、様々な点が改良されています

  • ActiveTrack が 3.0 に
  • ハイブリッドAF 2.0を搭載
  • 素早く電源を立ち上げるクイック起動が可能に
  • 本体にストラップ装着可能
  • 電源OFFの際にレンズが内側を向くように

バッテリー性能は据え置き

バッテリーは

  • 容量: 875 mAh
  • 駆動時間: 140分

と据え置きになっています。

Osmo Pocketを使っていてバッテリーに不満を覚えることは特になかったので、個人的には問題ないです。

「DJI Pocket 2 Creatorコンボ」を買うべきか否か

購入できるパッケージとして、通常のセットであるDJI Pocket 2と、アクセサリー類がたくさんついているDJI Pocket 2 Creatorコンボがあります。

「DJI Pocket 2」の同梱物
DJI Pocket 2のパッケージ
「DJI Pocket 2 Creatorコンボ」の同梱物
DJI Pocket 2 Creatorコンボのパッケージ

同梱物の違い

同梱物の違いは以下の表の通り。

DJI Pocket 2 Creatorコンボ DJI Pocket 2
DJI Pocket 2 ミニ操作スティック
DJI Pocket 2 カバー
DJI Pocket 2 三脚マウント (1/4インチねじ穴)
DJI リストストラップ
スマートフォンアダプター (Lightning)
スマートフォンアダプター (USB-C)
DJI USB二股充電ケーブル (Type-A − Type-C) ×
電源ケーブル
DJI ワイヤレスマイク トランスミッター
DJI ワイヤレスマイク ウィンドスクリーン
×
DJI Pocket 2 Do-It-Allハンドル ×
DJI Pocket 2 広角レンズ ×
DJI Pocket 2 マイクロ三脚 ×

DJI Pocket 2 Creatorコンボの場合は、Do-It-Allハンドル・ワイヤレスマイク・広角レンズ・マイクロ三脚が付属しており、充電ケーブルがワイヤレスマイク用に二股になっているという感じですね。

いくらお得?

通常セットに付属していないアクセサリーを個別に購入すると、合計30,580円になります。

Creatorコンボにしか付属してないアクセサリー 個別購入時の値段
DJI ワイヤレスマイク トランスミッター
DJI ワイヤレスマイク ウィンドスクリーン
11,000円
DJI Pocket 2 Do-It-Allハンドル 11,000円
DJI Pocket 2 広角レンズ 5,500円
DJI Pocket 2 マイクロ三脚 3,080円
合計 30,580円

DJI Pocket 2(49,500円)とDJI Pocket 2 Creatorコンボ(64,900円)の差額は15,400円なので、15,180円お得です。

結局どちらを買うべきか

DJI Pocket 2 Creatorコンボを買うべきかは、Do-It-AllハンドルによるスマートフォンとのWi-Fi接続や、ワイヤレスマイクトランスミッターを使用するか否かによるところかなと思います。

ワイヤレス周りが必要ないのであれば通常のDJI Pocket 2を購入し、必要そうだったら広角レンズを買うなどがいいかもしれません。

気になる点

基本的にはよくなってるところばかりなのですが、人によっては気になるかもしれないところを上げてみます。

本体サイズが大きくなった

高さ・幅・奥行すべて少しずつ大きくなっています。

DJI Pocket 2 Osmo Pocket
サイズ 124.7×38.1×30 mm 121.9×36.9×28.6 mm

そんなに大差あるわけではないですし、人によっては持ちやすくなる場合もあるかもしれません。

ただ、Do-It-Allハンドルを付けた姿はさすがに長いなと思いました。

画素ピッチが狭くなる

センサーの説明の際、センサーサイズが1/2.3型から1/1.7型に大きくなり、有効画素数が1200万画素から6400万画素に増えたと書きました。

この6400万画素という画素数は、35mmフルサイズミラーレスであるα7R IVの6100万画素よりも多いわけですが、1/1.7型という小さいセンサーに6400万画素も詰め込むと、1画素あたりのセンサーサイズ(画素ピッチ)は当然小さくなってしまいます。

「DJI Pocket 2」と「Osmo Pocket」のセンサーサイズ比較

計算してみるとDJI Pocket 2の画素ピッチは約0.82µmOsmo Pocketの画素ピッチは約1.54µmなので、半分近く小さくなっています。

DJI Pocket 2 の画素ピッチ
  ((7.6 * 5.7) * 1,000,000) / 64,000,000 = 0.676875
  √(0.676875) ≒ 0.82 µm

Osmo Pocket の画素ピッチ
  ((6.2 * 4.6) * 1,000,000) / 12,000,000 = 2.3766666666666666666666666666667
  √(2.3766666666666666666666666666667) ≒ 1.54 µm

ちなみに、先日紹介したiPhone 12は全モデルOsmo Pocketと同じ1200万画素。画素ピッチは広角レンズを例にあげると、iPhone 12 Proが1.4µm、iPhone 12 Pro Maxが1.7µmとなっています。

※ µmはマイクロメートルのこと。1µm=0.001mm。

もちろん画素ピッチだけで画質が決まるわけではないので、素人が細かいことを考えすぎてもしかたないですが、小型のセンサーに対してそんなに画素数つめこまなくてもいいような気はしました。

MOV形式での保存ができなくなる

動画フォーマットを見るとDJI Pocket 2は「MP4 (MPEG-4 AVC/H.264)」、Osmo Pocketは「MOV/MP4 (MPEG-4 AVC/H.264)」となっているので、MOV形式での保存ができなくなるようです。

これで困る人はいないとは思いますが、一応。

写真は「JPEG+DNG」で保存できなくなる?

写真フォーマットを見るとDJI Pocket 2は「JPEG/DNG」、Osmo Pocketは「JPEG / JPEG+DNG」と書いてあります。

そのまま受け取るとDJI Pocket 2では JPEG+DNG での保存ができなくなり、JPEGのみ or DNGのみ
でしか保存できなくなる様子。

ただし、他にも表記が変なところはあるので、単純に表記が間違ってるだけかもしれません。

個人的に気になる細かい点

ここまでは本体のスペック的に気になるところだったんですが、それとは別に個人的に気になった細かいところです。

名称、ややこしくない?

今回名前から「Osmo」が消えてDJI Pocket 2になったわけですが、Osmo Pocketの後継機としてわかりにくいなと。

そのわりにDJI Pocket 2の本体下部には「OSMO」というロゴがあるんですよね。謎。

「DJI Pocket 2」本体下部のOSMOロゴ
本体下部のOSMOロゴ

カメラの赤枠が好みじゃない

DJI Pocket 2はレンズの周りに赤い枠がつきました。

「DJI Pocket 2」レンズ周りの赤い枠

ぱっと見でOsmo Pocketと区別がつくのはいいと思いますが、ちょっと安っぽくて個人的には好きじゃない印象。

「DJI Pocket 2 広角レンズ」にNDフィルターは付けれなそう

初めて商品画像を見たとき「前面が四角になってるからもしかしてNDフィルター付けれるか?」と思ったのですが、調べてるかぎりどこにもそんな情報はないので、ただの早とちりだったみたいです。

「DJI Pocket 2 広角レンズ」の装着イメージ

もしこのワイコンにNDフィルター付けれるのであればOsmo Pocketのままワイコンだけ購入して運用するのもありだなと一瞬夢見たんですけどね。

まとめ

Osmo Pocketの不満点をしっかり潰してきてて、まさに正当進化という印象ですね。

性能面はもちろんそうですが、カバーに様々なアクセサリーが収納・取り付けできたり、電源OFF時にレンズが内側を向くようになっていたり、細かい気遣いがさすがDJIだなと感じました。

「DJI Pocket 2」とアクセサリー類の収納図
DJI Pocket 2とアクセサリー類の収納図

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